鋼材試験|コンクリート・鉄筋の検査・試験・調査|株式会社愛建総合設計研究所

鋼材試験

steel

鋼材はコンクリートと同様に頻繁に使用される建設材料です。
特に鉄筋は使用頻度が高く素材の品質は安定しています。
しかし、鉄筋を継ぎ足すために設けられる「継手」は構造的な弱点になり得るため、品質確認が欠かせません。
当社では、圧接・溶接・機械式・DBといった様々な鉄筋継手試験体を対象とした試験を行っています。

引張試験

鋼材の引張試験は、試験体に引張荷重を加えて、降伏点、引張強さ、破断伸び、絞りなどを測定します。また試験体に継手がある場合は、継手部で破断しないことが重要な確認項目になります。

鉄筋継手部の引張試験

試験機によって継手試験体を引っ張ります。この試験によって、降伏点、引張強さ、破断位置を確認します。

DBヘッド定着工法引張試験

本工法の試験体を引っ張るためには、専用の治具が必要となります。当社では、全ての鉄筋径に対応できるように治具を整備しております。

破断伸び測定

継手のない素材の試験体では、降伏点、引張強さのほかに破断伸び、絞りを測定します。

DBヘッド定着工法試験体の破断位置確認

DBヘッド定着工法試験体の引張試験では、降伏点、引張強さのほかに、写真に見えるリング状の金属付近で破断しないことが重要な確認項目になります。写真では適切な位置で破断していることが確認できています。

曲げ試験

鋼材の曲げ試験は、試験体中央付近に下向きの荷重を加え、試験体を所定の角度まで曲げます。載荷後に破断の有無や亀裂の有無を確認し、試験体の性能を評価します。

鉄筋継手部の曲げ試験(試験体セット)

専用の治具に試験体をセットします。

曲げ試験結果(素材試験体)

一定の載荷速度で試験体を曲げていきます。
試験体が所定の角度まで曲がったことを確認したら試験終了です。

鉄筋継手部の曲げ試験(載荷)

写真は押曲げ法(170°)を実施した素材試験体です。
試験体の湾曲部外側に亀裂などの欠点があるかどうかを確認します。 

曲げ試験結果(継手試験体)

写真は押曲げ法(90°)を実施した溶接継手試験体です。
試験体を90°曲げるまで溶接部で破断しないこと、試験後、湾曲部に亀裂などの欠点がないことを確認します。
裏当て材と載荷方向との関係によって「表曲げ」と「裏曲げ」があります。

鉄筋継手部検査

鉄筋継手部検査は、外観検査と超音波探傷検査によって構成されるもので、主に建設現場において、鉄筋継手部品質を非破壊で検査するものです。

外観検査は原則目視によりますが、必要に応じてノギスやSYゲージ等の測定器を使用します。
検査鏡は主に溶接継手の裏面の溶け込み具合の確認に使用します。
超音波探傷検査は、汎用の超音波探傷試験器を使用し、継手の種類に対応したJISに準じて実施します。

その他の試験

鉄筋継手の試験には引張試験や曲げ試験といった載荷試験の他に、継手部形状を評価する外観試験や、溶接金属の溶け込み具合や圧接による母材の結合具合を評価するマクロ試験などがあります。 

マクロ試験(溶接部・圧接部) ※外注試験となります

マクロ試験では、溶接部や圧接部を切断して接合部の様子(メタルフロー)を観察します。接合部にブローホールなどの欠点がないことが必要です。